エプソム マレーシアの最高学年が学ぶ化学の実験

今週のYear 13の化学の授業では、化学科主任のMr. Mahesh Warrierの指導のもと、「平衡」という抽象的な概念を、古典的な実験――酢酸とエタノールのエステル化反応における平衡定数(Kₑq)の決定――を通じて実際に体験しました。

今回の目的は、以下の反応を調べることでした:

CH₃COOH + C₂H₅OH ⇌ CH₃COOC₂H₅ + H₂O

この反応は完全に進むものではなく、4つの化学種が共存する動的平衡に達し、一定の温度ではKcが一定の値を示すことを証明することが狙いです。

生徒たちはグループごとに、1.0 mol dm⁻³の酢酸とエタノールを正確に計量し、濃硫酸を触媒として加え、密閉した試験管内で混合しました。この「閉じた系」は、揮発性の反応物や生成物の蒸発を防ぐために重要です。その後、混合物を1週間放置し、平衡に達するのを待ちました。

1週間後、生徒たちは平衡混合物の一部を取り出し、標準水酸化ナトリウム溶液で滴定を行いました。未反応の酢酸の濃度を測定することで、反応の化学量論(1:1:1:1の比)をもとに、エタノール、エチルエタノエート、水の平衡時の濃度を逆算することができました。

最後に、得られた濃度を平衡式

Kc = [CH₃COOC₂H₅][H₂O] / [CH₃COOH][C₂H₅OH]

に代入し、各グループで求めたKc値を比較したところ、概ね4前後という安定した結果が得られました。これにより、「一定温度においては平衡定数が一定である」という化学平衡の基本原理が実証されました。

この実験を通じて、生徒たちは動的平衡の理解を深め、教科書上の理論を実際の化学実験で体感的に結びつける貴重な経験を得ることができました。

Mr Mahesh Warrier
Head of Chemistry